2013/09/11

秋田の元気づくりトークセッションに参加して

(店長)
本日午後1時から開催された「秋田の元気づくりトークセッション」に参加しました。

パネリストは、メイドイン東大阪の人工衛星の打ち上げを成功させ、世界に「アオキ」の名を轟かせた(株)アオキ社長 青木豊彦氏、農業を食材製造業と位置づけて農業経営者の組合(農事組合法人)を立ち上げ、儲かる農業を成功させてている和郷園(わごうえん)代表理事 木内博一市、外国人でありながら酒造を復活させ、地域の町おこしや観光振興取り組み成果を上げている(株)枡一市村酒造場取締役 セーラ・マリ・カミングス氏、そして秋田県知事。
皆さん、テレビ番組「カンブリア宮殿」でも取り上げられ(つい最近、和郷園が放映されましたね)、日本中を駆け回る有名人となった面々です。

パレアンヌの仕事と何が関係あるのかというと、直接的には無関係。
商売をうまく営むにはどうすればいいか、というテーマならば合っているかもしれませんが、今回は小売・流通とは無関係の内容です。
ではなぜこのパネリストの生の声を聞きたかったのかというと、自分には日頃秋田の現状を少しマクロの視点から眺めるクセがついているからです。

パレアンヌは香水の専門店。
でも香水をただ売っているだけではやっていけません。
広告をどんどん出せば売れるのか、DMを経営コンサルタントの言われたとおりに送れば売れるのか、安いものを出せば売れるのか。
そんなに簡単なことではありません。
たとえ売れたとしても、日頃日用品をスーパーやホームセンターで廉価で買っている消費者が、一本一万円ほどする香水を簡単に買ってくれるものではありません。
秋田ではまだまだ、習慣的に香水を使う必要性や、使うメリットが感じられない方が大多数だからです。
それは開業時から意識していたことです。

パレアンヌは産業分野では小売サービス業ですが、仕入れて、売って、おしまい、というスタイルは一時的なもの。
香りを様々な分野に活かす啓蒙を続け、香りを取り入れた商品や香りを生活・職場の環境で利用するメリットを広め、「小売店」から名実ともに「香りサービス業」に発展させるという目標を掲げています。

その目標を達成するためには、まずはターゲットとなる顧客、つまり県民や企業がもっと利益を上げられるような秋田に知る必要があります。
簡単に言うと、自分たちが食べていくためには、秋田が裕福にならなければならない、ということです。

でも現状の秋田は、砂漠の真ん中でどこに向かっていいのか途方にくれている状態。
ほとんどの人は思い切って一歩を踏み出す勇気が弱く、その中でも勇気を出して進む者がいたとしても、応援するのではなく、むしろ今の場所で一緒にじっとしていようよ、ひどい場合は足を引っ掛けてでも行かせない、という雰囲気がまだまだ健在なところです。
あれもダメ、これもダメ、無理、できない、非常識、前例がない・・・秋田に来てまだ3年ですが、そんな反応を多く見てきました。
現状を打破するためには、新しい分野やアイデアを起用し、積極的にトライすること。
そして挑戦者の足を引っ張ったり、揶揄しないこと。
アメリカ風に言うならば、秋田の発展のためには、フロンティアスピリット(開拓者精神)と、それを応援する気風が絶対的に必要なんです。

今回のパネリストは、果敢にも新たな道に踏み出した経歴をお持ちの方ばかり。
こうした方々のお話に耳を傾け、共感し、勇気が持てて、何十人に一人、いえ何百人に一人でも、現状を打破しようと前に進む方がいて、何かの巡り合いでパレアンヌがその方と会い、何かの拍子にいっしょに助け合いながら発展しましょうということになれば、どんなにか素晴らしいことか。
自分たちだけでは社会は変わりませんし、変えることができても微々たるもの。
秋田の中で「これじゃいかん!」と一念発起して事を起こす方が、一人でも多く出てくれば、秋田は変われるのだと信じてます。

そんなことを考えながら、自分もいつまでも今の感性や知見を維持し続け、どこからどんな案件が舞い込んでも、できるだけ前向きに検討できるような意識を鍛錬させ続けなければと思っています。
今回は、そんな自分の気持ちを他者からの言葉で検証したかった、というのが参加の理由です。

ほぼすべてのお話に頷いてばかりで、不思議ですね、終わってから体が軽くなったような気がします。
パネリストの方々はそれぞれ異業種ですが、いろいろなキーワードがありますた。
覚えているものは・・・

・信念を持って進む
・誇りを持って取り組む
・行政依存ではなく行政を利活用
・「×(バツ、ダメ)」は少し傾けて「+(プラス)に」捉えよう
・「できない」を「やってみよう」に変える
・危機感を忘れない
・本気で秋田のことを考える
・外に目を向ける、積極的に海外を研修する
・技能だけではだめ、技術が大切
・黙っているのは不気味でずるい、きちんと声を出すこと(コミュニケーション)
・目立ってなんぼ、目立つことを恐れない、批判しない

突拍子のないプランを聞くと、秋田に限らず、人はどうしても「それをするには、あんな問題が、こんな問題が・・・」ばかりに目を向けがちですね。
そうではなく、まず、そのプランが実現したらどんな楽しいことが起きるのか、人をどのように喜ばせ、地元経済がどのように潤うかなど、いいことをたくさん頭に思う描くと、やってみようという気になるものです。
予見できる問題や、突発的な問題が起きても、そこは人類の知見で(知恵を絞って)乗り切ればいいのです。
人間の脳は、心配するためではなく、危機に際して臨機応変に対応するために発達したのですから。

パレアンヌはそんな気持ちを大切に守り続けたいです。