2013/07/21

今年もまた、小さな命の救出劇

(店長)
自宅周辺は田園地帯。
八郎湖寄りの小さな集落の中に自宅があります。
一番近いコンビニ、病院、銀行、郵便局、スーパーまでは3Km。
そこまでは田んぼが何枚も続いています。

そんなド田舎の中で最もにぎやかなのは野鳥の営み。
スズメ、ツバメ、トビ、カラス、セキレイ、ヨシキリ、サギ、キジ、カッコー、そして冬は白鳥・・・
毎日どこかでケンカが発生し、電線にとまったカラスをツバメの群れが集団で攻撃する光景が繰り広げられます。

先日の休日、まもなく夕食の時間になるころに、階下から騒がしい声が聞こえてきました。
何があったのかと様子をうかがっていると、間もなく2階に上がってきた奥様が「大変、大変、畑の網に鳥がかかってしまったって!」。

自宅前の我が家の畑には、野鳥にトマトやイチジクの実が食べられないように、グルリと網を張っています。
急いで現場に向かうと、その屋根のようにかぶせている網に、野鳥がひっかかっているのを発見。
細くて水色のテグスの網なので、鳥の目には見えなかったようです。

「じっとしててね」と声をかけながら手を伸ばすと、さっそく嘴でつついてきます。
全長20cm足らずの、大き目の野鳥。
おびえたように目を見張ってバタバタともがいていました。

お腹のあたりをそっと持ち上げてつかみ、持参したハサミで網を切りました。
網がもったいないなんて思いません。
我が家ではこうしたときには、網よりも鳥の救出が優先します。
細くて見えない網を張ったほうが悪い、というのが我が家の考え方です。

少し時間がたっていたせいか、網がかなり複雑に羽にからまっていました。
声をかけ続けていたので、少し安心したのか、やがておとなしくなりましたが、その足はしっかりとこちらの指をつかんでいました。
根気よく1本1本網を切り続け、からまった網が自然と取れるだろうと思った段階で、手からスルリと抜け出てバタバタと力強く羽ばたかせながら飛んでいきました。

昨年は大きな蜘蛛の巣にからまった、巣立ったばかりのツバメを助けましたが、今年もまた野鳥を助けることになるなんて。
それもたまたま休日で自分たちがいるとき。
鳥たちとの不思議な縁を感じます。
体の温かさと軽さ、そしてこちらの指をつかんで離さなかった力の感触が忘れられません。

ちなみにこの野鳥、おそらくオオヨシキリ。


近くにはヨシがたくさんはえている水路もあるし、あの大きさと嘴の細さ、体の模様から、そう判断しました。

救出劇が終わって、網には大きな穴がポッカリ。
でも、家族全員、なーんにも言いません(^o^)