2013/04/27

偶然の重ね付けが最高の香りに

(店長)
今はまっている香水はフローリスの「リリー・オブ・ザ・バレー」。
香調はフローラルブーケなので女性用なのですが、トップのシトラスの香りが好きでほぼ毎日使っています。
実は先日、この香水を胸元に一吹きしたあと、ふと思いついてザ・ディファレント・カンパニーの「ベルガモット」を付けてみました。

これは「香りの重ね付け」になりますが、通常はこんな使い方はしません。
重ね付けをオススメするのは、香りが同じボディクリームと香水があった場合。
ボディクリームを塗った上から香水を吹き付けると、香水単体よりもまろやかで芳醇な香りが漂うので、当店でもオススメしている使い方です。
でも今回は、まったく別の香水同士を重ねるということで、むしろあまりオススメしないことを自分でやってみたのです。

するとどうでしょう。
「ベルガモット」の上質なシトラスがさらにランクアップして漂ってくるではないですか。
「リリー・オブ・ザ・バレー」のトップにもレモンが配合されているので、ふたつのシトラスが混ざり合ってより強くなったのでしょうか。
いえ、香りがランクアップしたのは、シトラスだけではないのです。
「リリー・オブ・ザ・バレー」にはスズランの「リナロール」という香り成分が入っています。
また「ベルガモット」にも「リナロール」が入っています。
恐らくこの「リナロール」が相互に作用し合い、より豊かな香りをもたらしたのだと思います。
つまり、たまたま相性がいい香水同士だったのです。

このふたつの香水を重ね付けすると香りの持ちもよく、いつもなら帰り際に店で付けた香水のトップの香りは、自宅に着いた頃には消えてなくなるのですが、今回は着替えるときもしっかりと漂っていました。
そしてさらに翌日にはラストの香りが衣服にちゃんと残っていました。
偶然の重ね付けが最高の香りになった、貴重な経験でした。

ザ・ディファレント・カンパニーの「ベルガモット」はとても高価なので毎日付ける訳にいかず、重ね付けはがまんして今は「リリー・オブ・ザ・バレー」だけ使っています。
トップにはレモン、ミドルにはスズラン、ローズ、ジャスミン、ラストにはサンダルウッド、ムスク、アンバーが配合されており、付けた瞬間は爽やかに、そして徐々に上品なフローラルの香りに変化します。
「リナロール」には鎮静作用があるので、全体的にホッとする気分にさせる癒しの香りです。

フランスでは5月1日に愛する人にスズランを贈るという習慣があります。
スズランは「春をもたらす花=幸福をもたらす花」として、昔宮廷でご婦人への贈り物として使われたことが始まりと言われています。
もうすぐ5月1日。
パレアンヌでフローリスの「リリー・オブ・ザ・バレー」の香りを、ぜひお楽しみください。